以前、このブログでも
書いたことのあるお店、荻窪の
BOXINGLEE'S CAFEが閉店することになった。
私はここがライブハウスになってしまってから、最近ではもう
足を向けることはなくなっていたのだが、やはりずいぶんお世話に
なったところだし、いろんな出逢いや思い入れもあったりしたので
マスターに挨拶でもと思い、帰りに寄ってみた。
お店のドアを開けると、中はもうすっかりいろんなものが取り外され、
マスターが一人で片付けをしていて、私を見ると「おう!」と
人懐こい笑顔を見せた。
明日業者が来て、全部運び出すのだそうだ。
予想以上に運ぶものが多いので、欲しいものがあったら
持って行ってくれと言われた。
念のため書いておくが、経営不振のため潰れたわけではない。
ただ、店を維持して行くというのはやはりとても大変なことで、
いろんなものも犠牲にしなければならない。
自分や家族の人生も考え、いちどリセットすることにしたのだそうだ。
また何か形を変えて新しいことを始めるのだろう。
音楽もなく荷物が雑然と積み上げられ足の踏み場もない店の中で、
そんな話をして、最後にギターを弾きながら歌を歌ってくれた。
マスターは近くに住んでいるので、また会うこともあるだろうが
やはりここがなくなってしまうことはとても寂しい。
何か自分の中でひとつの物語が終わってしまったような・・・そんな
気持ちになっていた。
忙しそうだったのであまり長居はしなかった。
帰り際に、これ持って行ってくれよとお店で使っていたランプと
ヤカンをくれた。
ここでお手伝いを頼まれてカウンターでお酒を作ったことなんかを
ぼんやり思い出しながら、帰った。