無責任な母親に、ある夏、親戚の老人のところに預けられた少年。
老人は兄弟で気ままな暮らしを送っていた。
主演の少年はハーレイ・ジョエル・オスメント。
天才子役の名を欲しいままにした「シックス・センス」から
ずいぶん成長している。
が、あの切なそうな表情は健在で、それが随所に涙を誘う。
全体はほのぼのとしたハートフル・コメディ。
2人の老人がとにかくパワフルでカッコいい。
セールスマンは銃をぶっ放して追い返し、街のチンピラは
叩きのめした上に家に連れてきて説教をする。
そして、ロマン溢れる若かりし頃の武勇伝。
とても楽しい映画で、これでもしバッドエンドだったら
どうしよう・・・と妙にドキドキしながら観ていたのだが、
それは杞憂に終わってほっとした。
この物語にふさわしい結末だと思う。
・・・・ただ、この陳腐な邦題はどうにかならなかったものか。。。
ハーレイ君主演だから、ファミリー層がターゲットだったのかも
しれないが・・・・・。
原題は「Secondhand Lions」。
タイトル通り、ライオンはメタファーである。
実際、映画にも登場するライオンは重要な役割を担っている。
原題をそのまま使ってほしかったと思う。
カッコいい2人の「本物の男」と、大人になりかけの少年。
それに対比して男にすがって生きることしかできない、
悲しいまでに「女」である母親。
「信じるだけの価値のあるものがある。それが真実かどうかは
問題ではない」
老人が少年に言った言葉。
安心して観られる感動作である。