帰りの総武線でいつものように立っていたら、急に気分が
悪くなってきた。
どうしようかと思ったがちょうど中野に着き、1分ほど停車と
いうことだったので、少しホームで休めば治るかと思い電車を降りる。
ふらつきながらベンチを探したが、なぜか全く見当たらない。
冷や汗が出てきて吐きそうになり、思わずホームにうずくまる。
ずっと息を詰めていたせいか、手の先が硬直して握ったまま開けない。
うーん、まずいなと思い、しばらくそうしていたら、親切な女の人が
「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれ、座るところがなくてと
うずくまったまま言うと駅員さんを呼んでくれた。
今は工事中でベンチがはずされているので事務室でお休みくださいと
言われ、駅員さんに腕を取られて駅長事務室に連れて行かれる。
連行されてるみたいだ、とちょっぴり可笑しくなったがもちろん
笑っていられる余裕はなかった。
長イスに枕と毛布を持って来てくれ、横になっていいですよと
言ってくれる。
お言葉に甘えて横になり、目を瞑っていたら少しずつ楽になった。
結局30分近くそこに居させてもらった。
駅員さんになんべんもお礼を言ってまた下りの電車に乗って帰って来た。
しかし、1人で具合の悪くなったときに、声を掛けてもらうのは本当に
心強いものだと身に沁みてわかった。
自分だったらホームにうずくまっている人を見ても、助けてあげられるか
どうかわからない。
酔っ払いだと思って通り過ぎてしまうかもしれない。
声を掛けてくれた女の人は、駅員さんを呼ぶとすぐ居なくなってしまったので
あまりちゃんとお礼を言えなかったのが心残りである。
ここで、ひっそりとではあるけれどお礼を言いたい。
今日、声を掛けてくださった女性の方と、中野駅の駅員さん、
どうもありがとうございました。本当に助かりました。